今回お話を聞いたのは、札幌で住宅の仕事をしている飛栄建設株式会社の松田卓也さん。取材では、父の会社に入ったいきさつ、仕事のやりがい、採用で大事にしていることを聞きました。
「本当に単純にお客さんに喜んでもらえる仕事だったっていうことが大きいかなとは思ってます。」
01 就職氷河期っていう時代だったので
大卒でも全然就職がない
親の会社に入った理由からお話しします。
僕たちの時代は、就職氷河期でした。就職が本当に難しかったんです。大卒でも全然就職がない、という時代でした。
もちろん、選ばなければできないことはないんですけど。周りを見ても、なかなか難しいのかなと思っていました。
子供の時から、継ぐ意識は全くなかった
父が独立して会社を始めたのは、僕が高校を卒業したくらいの頃です。
だから、子供の時から跡継ぎになるとか、そういうのはなかったんですよね。親が社長をやっているという意識も、全くなかった。
そんな中で父と話したら、できるならやってほしい、というようなことを言われました。
正直、その時は結構短絡的でした。
自分が望むようないい職を探すのは難しいのかなと思っていて。公務員の勉強をするか、というところでした。ただ、勉強するのもめっちゃ大変だなと思って。それで会社に入る決意をしたんです。
今、僕がちょうど五十なので、二十五年とか、もっと前の話ですね。
社長になりたくて入った会社ではなかったと、松田さんは話した。
02 お客さんに喜んでもらえる仕事だった
リフォームしてよかったと言ってもらえた
そこから続けてこられた理由は、単純なんです。お客さんに喜んでもらえる仕事だったことが大きいと思っています。
さっき言った経緯で入ったので、社長になりたいとか、そういう意識で生きてきたわけじゃないんですよ。
特に嬉しかったのは、リフォームですね。リフォームは、今までの不便さが明確に解消されます。困っていたことがなくなるんです。
最初の頃、「リフォームしてよかった」と言ってもらえて。それは本当に嬉しかったなって。
金銭的な欲求があったわけではない
仕事って、人に仕えることだと思っています。仕えるといっても、召使いではないですけどね。
お客さんに喜んでいただく。それが自分の成長に繋がっていくんじゃないかなと思っています。
僕は、給料だけが目的ではなかったんです。金銭的な欲求が強かったわけではないので。お客さんに喜んでもらうことが、自分が頑張れる糧になりました。
今はもちろん社員の人がいるので、頑張って会社を良くしていきたい、という思いもあります。
会社としては、お客様の暮らしを豊かにしたい、幸せになっていただきたい、というのが理念です。そして仕事を通じて、社員の人たちにも成長して幸せになってほしいな、というのがあります。
会社の理念は、お客様の暮らしを豊かにすることだと、社長は話した。
03 共感できる人たちを採用したい
入ってはやめ、入ってはやめ
採用は、まだ力を入れ始めたところです。
今までも、それなりにやっては来られていたんですけど。会社の平均年齢がだいぶ上がってしまって。僕が入った時は僕が二十代で、他の人はみんな三十代ぐらい。そのままずっと上がっていった、みたいな感じです。それまでは本当に、みんな僕より年上でした。
去年ぐらいから、採用に少し力を入れ始めました。今、二十代の子は三人ぐらいいます。
昔は本当に、応募が来たらすぐ採っていたんですよね。募集してきた人は、とりあえず雇う。とにかく一生懸命働いて、という感じで。
そうすると、なかなか入ってはやめ、入ってはやめ、になっちゃうんです。ミスマッチが多かった。
会社の方向性をしっかり出して
だから今は、うちの会社がどういう方向性を持った会社なのかをしっかり出して、それに共感できる人たちを採用したいと思っています。
いい悪いではないんですけど、ガツガツ営業してガツガツ稼ぎたい、という人だとミスマッチが起きちゃう。
新卒で入ったばかりの子に、いきなりお客さんのためにすぐやってくれ、という話ではないんです。でも、共感することからはできるのかなと。
一緒に働きたいのは、人のことを考えられる人ですね。仕事の能力がすごく高いとかよりも、誠実さとか、お客様のことを思えることです。
「採用はそうですねまだ今力を入れ始めたっていう。」
人を教えることで成長できる
事業規模を拡大したいというより、ある程度の規模感があったほうが、働いている人たちの刺激になると思っています。
人を教えたり、部下を持ったりすることで、人って成長できる部分もあるので。大会社にしたい、という欲ではないんですけど、毎年一人とか二人ぐらい採れるような規模感にはなっていきたいなと思っています。
最初に募集で来た一人は中途の人で、前の会社から何人か連れてきてくれたと、社長は話した。
04 より暖かい家、そういうところの技術
営業マンがいない会社です
うちの会社は、営業マンという営業マンがいないんです。口コミとか紹介とかで仕事をいただいています。
だから、本当にお客様に喜んでいただける仕事をすることが大事だと、すごく思っています。それが、うちの強みなのかなと思ってやっています。
北海道はどうしても寒いので
北海道は、どうしても寒いです。うちの仕事は住宅なので、より暖かい家とか、そういう技術的なところは高くやっていると思っています。品質の部分ですね。そこは力を入れています。
これからも、衣食住の「住」にこだわってやっていきたいと思っています。ラーメン屋をやりたいとか、居酒屋をやりたいとかはないんです。
不動産、リフォーム、新築。暮らしに関わることなら、うちに相談すれば解決できる。お客様にそう思ってもらえる会社にしていきたいですね。
今は僕自身がプレイングマネージャーのような立場なので、経営のほうにはなかなか時間を作れていません。ホームページに採用ページを作ったりしているところです。
職人が多く、今いる若い人たちは元気な子で、元々ラグビーをやっていた人もいると、社長は話した。
「うちの会社結構営業マンっていう営業マンがいないんですけど、なので口コミとか紹介とかで仕事をいただいてやってるので、本当にお客様に喜んでいただける仕事を取るのかなっていうのはすごく思ってます。」
05 仕事は、幸せになるための道具
何のために働くのか
若い人に伝えたいのは、何のために働くのかを意識することです。
僕自身も、最初からそう思って働いてきたわけじゃないんですけど。単純にお給料をいただくだけだと、人生の膨大な時間を仕事に使うわけですから。無駄にするとは言わないんですけど、何のために働いているのかは、よく意識して働いたほうがいいと思っています。
働いている時間って、人生の三分の一ぐらいなんですよね。
二十代は仕事を覚えることが大事。三十代になったらマネジメントをしていく。四十代になると、もっと組織的なことになる。段階的にあると思うんです。
いいツールを使って成長する
僕は、人生は幸せになることだと思っています。
仕事は、そのためのツールというか、道具だと思うんです。仕事が人生ではないので。
でも、じゃあ何でもいいのかといったら、そんなことはないです。いいツールを使ったほうがいい。幸せになるために仕事をうまく使って、自分が成長していけたらいいのかな、とすごく思っています。
仕事って、どれもそういうものだと思うんです。お客様にお金という対価をいただく。こちらは、それ以上の対価を仕事で返す。サービス業でも、何でもそうですよね。犠牲になるとかではなくて、人のために、お客さんに喜んでもらう。
うちは、住宅を通してお客さんに喜んでいただいていると思っています。人に喜んでいただく、人に貢献するというところで、成長していける会社だなと思っています。そういう志を持てる方に来ていただきたいです。
取材では、父の会社に入ったいきさつ、リフォームで喜ばれた経験、採用で共感を大事にしている理由の話を聞きました。
取材: 島田大輝/ローカル文庫編集部
もう一つは、仕事は人生ではなく、幸せになるための道具だという話です。でも何でもいいわけではなく、いいツールを選ぶことが大事だとも言われました。自分にとっての「いいツール」がどんな仕事なのか、私はまだ言葉にできていません。これから考えていきたいと思います。
